鱒釣日記


ルアーで鱒を釣ってしまう日々。
by masuturi
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ゴルジュを越えて。

4月22日
葛野川 10:00~16:00 晴/曇
釣果 ヤマメ14

釣り用語というのは面白い。
通ラズなんてのは、ラズの部分だけカタカナで
そこを見つめていると、大和朝廷とはまた違った
山の文化を勝手に連想してしまう(そういう意味ではカタカナ名前の沢は大好きだ)。

ゴルジュも面白い。
両岸が切り立った高い崖になっている場所を
ちょうど廊下に見立てて、ゴルジュ(フランス語で廊下の意)と呼ぶんだけど
なんでいきなりフランス語?
それまで、ちょっと野暮ったい言葉で話していたのに
ここだけいきなりオサレ風味。なんだかちょっぴり微笑ましい。


葛野川の上流部は、そのゴルジュがひたすら続く。
川の規模そのものは大きくないのだけど
川原なんて気の利いたものはないので、遡行がタイヘン。
よいしょ、と気合を入れなきゃ釣りに行けない。
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ゴルジュって木が覆いかぶさっていることも少なく
渓流では数少ないルアーを遠投できる場所だ。
シンキングのミノーをぶーんとすっ飛ばす。
しばらくすると強い流れに押されて、手元には転げながら戻ってくる。
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今度もミノーは転がってきたが、大きな影も一緒について来た。
イワナのポイントから、まるでイワナのような出かた。
岩盤の影から、ギラっと鈍く褐色の光が浮かび上がる。
うわ!尺イワナだ!
興奮しながらも、竿をためてじっと待っていると
やがて疲れきって流されてきた。

ん?
んん?
体一面に散りばめられているパーマーク。
イワナだとばっかり思っていたソレはヤマメだった。
メジャーを当ててみると37センチ。
ああ、なんかもうよく覚えていないや。
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長く伸びた体に比べて、やけに大きな頭。まるでうわばみのよう。
一日のほとんど陽も満足に当たらないこの谷底に
いつからいたのだろう。
本流育ちとはまったく違うその体つきからは
環境の厳しさばかりがうかがえる。
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フワフワと夢の中のよう。地に足が着いていない感じ。
再びヤマメを見る。
もっと眺めていたい。
今までにこの川でどんなことがあったのか聞いてみたい。
だけどもお別れの時間だ。
そっと針をはずすと流れの中に消えていった。

もう今日は、これ以上の魚は釣れないだろう。
このまま帰ろうか。
珍しくそんな殊勝なこと考えていたけど
はっと気づいてみると、深い谷底なので退渓できる場所がない。
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結局そのまま4時間ほど釣りしながら、ようやく出てこられた。
その間もずいぶんと釣れたけど、頭のどこかがぼうっとしたままだったから
うれしさもどこか飛んでいる。

あの魚についても考えることができたのは
ようやく帰りの車の中だった。今までで一番大きなヤマメだ。

初めて騙されたであろうショックからは、そろそろ立ち直ったかな。


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by masuturi | 2006-04-23 03:10 | 釣行記2006

無くし物をした日。

4月7日
神ノ川 10:00~15:00 曇
釣果 ヤマメ3 イワナ1
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代休だったので神ノ川に行ってきた。
それまではぽかぽかとした初夏を思わせる陽気だったのに
この日だけ突然の花冷え。
魚よりも人間の活性が下がった一日でした。

結局ヒザの痛みが増しただけなので、早めに撤収。
こりゃしばらく休まなきゃならないかも。
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釣れたヤマメはなんだか赤い。
なんでだろ?
放流魚だから?
それとも恥ずかしがりやなのか。


ところで、うちに帰ってから気づいたんだけども
どうやら神ノ川で年券落としてきたみたい。
釣具屋のおばちゃん、キチンと接着してよ。
八王子住所の年券を拾われた方、もしいらっしゃいましたらご一報を!


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by masuturi | 2006-04-09 00:16 | 釣行記2006

その先にあるもの。

4月2日
谷太郎川 6:00~16:00 曇/雨
釣果 ヤマメ8 イワナ4

俺と相対しているその男の首は太く
道着からのぞく腕も十分な力を感じさせた。
体重は90キロほど。俺よりも優に二周りは大きい。

男が巨体に似合わぬ身軽さで先に動いた。
しまった。
先手。取られた。
腰を落とす。
胸を張る。
これで戻った。
再び探り合う。

加納治五郎が提唱して以来、戦場の殺人術だった柔術は
柔道と言うスポーツとなって普及した。
しかし今、お互いのプライドを賭けている二人の闘いは
古の時代と同じ匂いを放ちはじめた。
相手を倒すこと。
そこだけに向かっていく。

(注:これは釣行記です。長い前フリですが、もうしばらくお付き合いのほどを)

じれた男は飛び十字を仕掛けてきた。
ある程度予測していた俺は、ぐっと体を硬直させて堪える。
腕を伸ばされないようにしながら、男の体を下に落とす。
『そんな技が極まるとでも思ったのか?』
そう言わんばかりの視線で男を見下ろす。
抵抗のできない男は下に落ちていくばかりだ。


最悪!
よりによって踏ん張ったときにちょっと開いた
ヒザの上に、あのやろー落ちてきやがった。
バキバキッとヒザの靭帯が
乾いた小枝を踏んだような音を立てる。
いてててて!
いやマジで痛いって!


と言うわけで、ヒザを壊してしまった。
歩けないことはないんだけども、本格的な遡行となるとちょっとキツそう。

ダム下の中津川で午前中を無為にすごし(いわゆるボウズ)
さて、どうするか?といったところ。
遡行しなくていいのは助かるんだけど
変化の少ない本流での釣りはちょっと飽きたので、山の中の渓流にでも行きたい気分。
近くに谷太郎川が流れていたことを思い出し、向かった。

谷太郎川は小さな渓流だ。
川幅はせいぜい2~3メートル。
わざわざ訪れる価値は少ないのかもしれない。
しかし今日は『わざわざ』この川を選んだ。
なぜって谷太郎川は比較的穏やかな渓相で
しかも川沿いに登山道が走っているという、実にヒザに優しい設計なのだ。


林道に駐車して川の様子を伺っていると
上流から餌師が一人下りてきた。
挨拶をかわすと『これから放流があるだとかで、車止めのところにいっぱい人が待っているよ』と教えてくれた。
うわ、嫌な日に来ちゃったなぁ。
その人は『そんな風に魚釣っても楽しくねぇから』と言って、さらに下りていっってしまった。
なんだかカッコよかったので真似したかったんだけど
ウブな放流魚相手に『ぬぉーーースゴイチェイスだ!!』とかちょっぴりバカっぽいこと言ってみたくもあったので、行ってみよう。

幸い車止めには一台分の駐車スペースが残っていた。
川をのぞいて見ると、ゆるい流れに定位している魚。
その前にクーラーボックスを持ち込んで張り付いている釣り人。
鱒釣り場みたいだな。
すき間を見つけてミノーを投げてみると、スゴイチェイス。
ボロボロのヤマメばかり立て続けに3匹も釣ると
ルアーを投げているその場所に餌師が入り込んできた。
もうそのクーラーの中に何十匹も入ってるんだから十分でしょ、と思うが
こんなことで言い合うのはあまりに悲しいので、上流に向かって歩き出す。

いつにもまして水量の少ない谷太郎川では
狙えるポイントもそれに比して少なくなる。
ほとんどのところは足首までの深さしかないのだ。
どうやら上流に入っているのは自分一人だけのようだ。
雨で魚の警戒心も薄くなり、反応は上々。
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堰堤をいくつか越えると、だんだん渓相も良くなってくる。
釣れる魚もだんだんキレイになってくる。
下流でいつまでも放流魚に囚われていたら、その先にある光景や魚は見れなかったのか。
そう思うと、あの餌師に感謝すらしたくなる。
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だけども、この川の規模ではその先、生き残るのは難しいんだろうなぁ。


キャンプ場まで来たところでヒザの痛みが限界に。
雨足も強くなってきたので帰ることにする。
唐沢との分水嶺まで行きたかったのになぁ。

車止めのあたりには、もう釣り人はいなかった。
同じく魚の姿も見えなくなっていたが、ミノーを投げてみるとイワナが追ってきた。
2匹だけ釣って持ち帰る。
今夜はイワナご飯だ。
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by masuturi | 2006-04-03 14:22 | 釣行記2006