鱒釣日記


ルアーで鱒を釣ってしまう日々。
by masuturi
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カテゴリ:釣行記2006( 31 )


夏山へ。

7月28日
早川支流 14:00~16:00 曇
釣果 ヤマメ5 


ほいと代休がとれたので、南アルプスに向かう。
まだ夜の明けきらないうちに、車に荷物を積み込む。
前日の仕事が長引いて出発は予定よりも3時間は遅れている。
荷物は多く、気ばかりがあせる。
ようやくエンジンをかけると、スピーカーからハイロウズの『千年メダル』が流れ出した。
コレを聞くと、生きて帰らなきゃという気持ちになるなぁ。
自分も千年くらいは生きていたいから
安全運転、安全釣行でいこう。

若者であふれていた河口湖を過ぎ、本栖湖ではボートの練習風景。
峠を越えるとぐっと人影は減り、早川沿いに着く頃には砂利運搬のダンプだけが目に付く。
早川の本流は激しい土砂濁り。
げげ、と不安になるが途中で橋を渡った支流筋はどこも清らかな水が流れていたので一安心。
一路、奈良田を目指す。


ようやく奈良田に到着。
ここからはバスに乗り換えて上流域を目指すぞ!と思ったら
なんと連日の大雨によって林道が崩れたので通行止め。バスも運休。
がーん。

林道の入り口には物々しくゲートがおりていて、警備員が見張っている。
『歩いて行ったらダメですか?』
当然ダメ。
『僕がんばって歩きますから!』と訴えるも
危ないからと帰された(そりゃそうか)。


仕方がないので目に付いた沢を登っていくことにする。
もしかしたらこの先にヤマトイワナなんているかしらん。

だけども考えは甘かった。
藪がすごくて前進は遅々として進まない。
体中汗だくで、すり傷だらけ。
1時間あまり悪戦苦闘した先には、10mほどの滝が待っていた。
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右側から巻いて行けそうな気もするけど……ここで車の中で聞いた『千年メダル』をふと思い出す。
生きて帰りたいから、今日はやめとこ。
それにヤマトイワナなんてホントにいるのか分からないし、と悔しさいっぱいで思い込む。
あれ、きっと釣り人が創りあげた架空の生き物だぜ。
食べたらすっぱいにちがいないぜ!

沢は登るよりも下る方がずっと難しい。
こんなとこどうやって登ってきたんだろう、という斜面を泣きそうになりながら下る。下らねばならない。
ブランドイメージに弱い自分としては、南アルプスという名前だけで『険しい!!』と飲まれてしまう。
斜面がさらに角度を増したような気がした。


その後人間界に戻ってきたが、まだだいぶ時間があるので
適当な支流で釣りをすることにする。
去年見たときの3倍くらいの水量。
この中を遡行するのは困難だ。
さっきの恐ろしさもまだ消えていないので、林道が沿っている川を選ぶ。
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岩盤のわきや大石の裏。
水勢の弱いところばかりを狙って、ぽんぽーん!とヤマメが数匹。
あれ?ここってアマゴ圏じゃないの?
アマゴって釣ってみたいなぁ。


翌日、まだ暗いうちならば警備の目もゆるむだろうと
駐車場で夜を明かしていたら、いきなりの職務質問。
キミ、なにやってるの?上に行こうとしてない?

げ!バレてる。


ヒットルアー  D-コンタクト ニアキス
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by masuturi | 2006-07-31 02:01 | 釣行記2006 | Comments(6)

海の日だけど山に行く。

7月16日
神ノ川 9:30~18:30 晴/雨
釣果 イワナ10


友達の結婚式に出席する彼女を素早く送り届ける。
両目から迸る『アタシも結婚したい光線』を優雅にかわして、川に。
冗談じゃない。
昨日の雨で川の様子が変わっているはず。
イワナも動き出しているはず。
コッチだって手から光線が出るくらい忙しいのだ。


神ノ川はほとんどが砂礫に埋もれ、その流れは浅く、速い。
隠れ場所がないので、イワナはまるでヤマメのように、流れの中に入っている。
しかしその分ヒレが大きく育ち、引きもヤマメのようにグイグイと強く激しい。
イワナのくせに、けしからんのである。

そんな川だから通常のミノーでは通用しない。
シンキングミノーのお腹に、さらに板重りを追加。
その姿は、まるで敵陣に突撃するヨロイをまとった騎士のようだ。

ルアーがそうなると、ウエダの柔らかロッドでは扱いにくくなってしまう。
しかし今日はこの竿で行こう。
先日mogさんにいただいた、mogミノーをどうしても使ってみたいのである。
軽量なバルサミノーには、この竿の相性がいい。
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砂地にくっきりとついた足跡が
先行者の存在を雄弁に語ってくれる。
いかにも!という大場所からは魚は出てこない。
びっくりするような浅瀬。
小さな石裏のポケット。
mogさんの丹念にポイントを探る釣り方を思い出しながら
それを真似して釣りあがっていく。
小さくても力強いイワナが追いかけてくる。
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いくつ目かの堰堤の下で大きなアタリ。
轟々と流れ落ちる水の下に潜りこんでしまい中々出てこない。
ピンと張ったラインの先から、ブルブルと震える信号を送ってくれているが
水流の激しさにふと不安になる。
せめてmogミノーだけでも無事に戻ってきてくれよ。

やがて力尽きた魚体は水に押し負けて流されてきた。
ひょろりと長い尺イワナ。
口元には輝くmogミノー。
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ふっと花の匂いがただよう。
そんなときは見上げると、崖の途中に山百合。
うだるような下界とは無縁の
山の夏はこれからが盛りだ。


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by masuturi | 2006-07-17 22:13 | 釣行記2006 | Comments(16)

小天狗、山中で大天狗に出会う。

7月8日
山梨の川 6:00~18:00 晴
釣果 ヤマメ7 イワナ7


川に降り立ち、釣りの準備を始める。
いつものことだが、この時間はなかなかにもどかしい。
大急ぎでラインを結んで、隣にいるmogさんのタックルをひょいと見る。
柔らかく長めのロッドに、リールにはPEライン。
その先には自作ミノーが銀色に輝いている。
一目見ただけでも、曲者の香りがぷんぷんとする。

そしてその予感は
釣りを始めてすぐに現実のものとなる。
キャストがすごい。
自分だったら何度も投げて、その度に少しずつ距離を測るぎりぎりのポイント。
結局どうしても投げ込めずに、最後は岩にぶつけて、その反動でぽとりと落とす。
そんなところにも平然と投げ込む。
しかも見ていると失敗がまるでない。
TABOさんは自分のキャストを針の穴を通すようだと評してくれたが、とんでもない。
mogさんと比べてしまうと、せいぜい車の車庫入れだ。それも軽。

誰もいない渓流で、他の釣り人と出会うことなく
いつの間にか高くなっていた天狗っ鼻を、へし折られてしまった。
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それだけのキャスティング技術があるのに、ポイントには身を伏せそっと近づく。
見落としてしまいそうな小場所も、丁寧に探っていく。
それを感心しながら、ただ眺める。
つくづく魚じゃなくて良かった。


まぁ、いつものようにへろーっと投げて
それでも釣れてしまうイワナには、それこそいくら感謝してもしきれないのである。
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入渓点を間違え、崖の中を汗だくになって登ったり下ったり。
うっそうと茂る木々の奥までは風も吹いてこない。
すっかり疲れ果てて、林道を帰る。

釣りの帰り道ってのは、大抵が薄っすらとした後悔と共にあるものだが
たくさんの収穫があった日は足どりも軽い。
おまけにお土産までいただいてしまった。
mogさん、オリジナルのミノー。
背中の微妙なうぐい色が実に素敵。
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午後からは場所を移して釣ってみた。
竿先には、もちろんmogミノー。
だいぶ減水しており厳しい状況だったが、ヤマメが数匹。
ぬめぬめと動くミノーに惑わされていた。


ヒットルアー  mogミノー アレキサンドラ50S チップミノー4S
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by masuturi | 2006-07-11 00:12 | 釣行記2006 | Comments(14)

狐と狸と大狸。

6月24日
山梨の川 11:00~18:00 晴/曇
釣果 ヤマメ2 イワナ9


ヤマメとイワナは良く似ているけど
その性格はかなり違う。
狡猾で動きも素早いヤマメは狐のイメージ。
あっという間に岩陰に隠れて、人間は何もいない水面に向かってルアーをぽちゃぽちゃ。
人を化かす。

一方イワナはのん気なものだ。
ルアーを追いかけてくるうちに滝壺に転落などよくある話。
時には浅瀬に乗り上げてしまって、あわてて跳ね回る。
魚のくせに、どうにも泳ぎっぷりがたどたどしくて
見ているとハラハラと母性本能を刺激されてしまう。
その愛嬌あふれる貌はまるで狸だ。

ところで自分はそんなのん気な、水の狸が可愛くてしかたない。
今度はどんなおとぼけを見せてくれるんだろう…そんなことを考えると楽しみで仕方がない。
流行り(?)の言葉で言えば萌え系か。
そう言えば、女の子もタレ目の狸顔がタイプだったな(ココで『お前、狐顔も好きじゃねーか!』と的確すぎる突っ込みが入る)。

恵みの梅雨で川はほんのり増水。
崩れやすい崖を、汗だくになりながら降りてゆく。
釣りに行っていない間に、体の中に溜まったオリのようなものが
汗と一緒に吹き出ていく気がする。
重く澱んでいた体も蘇る。

一投目から小さなイワナがぷるぷると竿を振るわせてくれる。
久しぶりに持ち出したシルファーも、今日に限っては機嫌がいいらしい。
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その後もサイズはなかなか上がらないものの
次々にイワナが釣れる。
ミッキーさんにいただいた蝦夷で、豆狸の見本市が開けそうだ。

キラキラと小さくても可愛いイワナ。
虫ならぬ、うお愛でる山男だ。


幾重にも連なる山が日を隠し、そろそろ終了の刻限が近づいてくる。
いい具合にヨれた流れにミノーを乗せてくる。
すぐにぐぐぐっと重くなる。突然走り出す。
夕方になり、ヤマメたちの活動が再開したようだ。
流れの中で暴れているのは、案の定ヤマメ。なかなか良い型だ。
このサイズだと相当の手ごたえが……あれ?ヤマメの引きをグラスロッドがぼわんぼわんと吸収してしまい、思いのほかあっさりと寄せてきてしまった。
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尺には少し届かないけれど
お腹の斑点のおしゃれ具合は、それを補って余りある。


やがて日が落ちる。
狐たちが動き始めるこの時間は、まさに逢魔が時。
願わくば、夕闇迫る渓谷で『誰そ彼』と問うことのなからんことを。


ヒットルアー  蝦夷50S アレキサンドラ50S 
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by masuturi | 2006-06-25 00:21 | 釣行記2006 | Comments(25)

新緑の森。

6月10日
山梨の川 8:30~17:00 晴
釣果 ヤマメ1 イワナ4

ミッキーさんはすっかり渓流釣りとはごぶさただ。
東京砂漠に渇いた魂を、管釣りでなんとかうるおして息を吐いている状態。
一刻も早くマイナスイオンが必要だ!
だけども北海道で育ったミッキーさんを満足させられる川なんて……『あの川』しかない。
ということで、飽きもせずに今日も向かう。
昨日の雨はすっかり上がり、良い一日が待っていそう。
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川に降り立つと、いくぶん増水しているものの、水は透明で清冽。
もしも自分が魚だったら、こんな水に住みたいものである。

ミッキーさんにも合格点をいただけたようだ。
なぜだか今日に限って魚の機嫌が悪く、なかなかルアーをしっかりと噛み付いてくれるのはいないけれど、久しぶりの渓流そのものを楽しんでいただいているようだ。
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実は今日の朝、ミッキーさんにお気に入りのルアーをいただいてしまった。
イトウクラフトの蝦夷だ。
使ったことのないルアーだったので、どんな動きをするんだか
非常に楽しみだったのだが、失礼ココに極まれり。
車の屋根に置いてきてしまった。

心優しく自分の蝦夷を貸してくれたので
落ち込み下のプールにキャスト。
すぐにイワナが飛び出してくる。
次回の釣行では必ず使うぞと
釣れたイワナに誓うのでありました。
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ミッキーさんの本州渓流デビューは、釣果だけ見れば特筆すべきことはないかもしれない。
しかし水と森と少しばかりの魚と獣の匂いと、梅雨の間際の晴れ間とその光に照らされる谷間の苔と、そしてなによりミッキーさんの穏やかな人柄に、救われた日だった。
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『うしろすがたのしぐれてゆくか』
しぐれこそ降っていないけれど
新緑の光の雨の中に消えてゆく釣り人の後ろ姿。
自分もいつの日かひっそりとこの中に消えてゆきたい。


ヒットルアー  蝦夷50S アレキサンドラ50S 
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by masuturi | 2006-06-13 01:39 | 釣行記2006 | Comments(16)

釣り仲間。

6月3日
山梨の川 6:30~17:00 晴/曇
釣果 ヤマメ4 イワナ10

今日はTABOさんと釣りにいく大切な日だ。珍しく早起き。
待ち合わせにもすんなりと余裕の到着……と思ったら、ウェーダーが干しっぱなしだったのを思い出し、大慌てで逆戻り。
ちょっぴり遅れて到着するも、心優しく迎えてくれるTABOさんでした。

二人でテクテクと林道を歩いていく。
いつもなら動物やら山の何かやら
人外の気配で満ち満ちているのだが、二人でいると心強い。

さて…釣れるかな?
こんな山の中までわざわざ人を呼びつけておいて
もしも釣れなかったらどうしよう。切腹?切腹なの?

しかし自分のそんな勝手な心配も、すぐに吹き飛ばされた。
淵に向かって飛んでいく、TABOさんのミノー。
リトリーブしてくると、その後を追ってくる一陣の矢。
キラキラと初夏の陽光に輝くイワナ。
『いやー、これで気が楽になりました』と、言われた。
あれ?同じこと思ってた?

その後も小粒ながらも、ぽんぽんとイワナが釣れてくる。
ヤマメもたまには釣れてくる。
バラしたって気にしない。
また釣ればいいんだし、いっそ釣らなくたっていいのである。
気持ちに余裕があるだけで、なにもかもが上手くいく。


崖で足を滑らせ、滝にビビりながらも進んでいく。
やがて壮大なゴルジュが口を開けて待ち構えていた。
左側がえぐれているようだったので、なんの気なしにルアーを通してみる。
『バクッ!!』と、まるで音が聞こえるかのような、大きな一噛み。
ラインが走る。
岩屋へ戻る気だ。そうはさせるか!

あまりに太った体。
井伏鱒二の『山椒魚』が頭に浮かぶ。
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自分のことのように喜んでくれるTABOさん。
どうもありがとう。
今日一緒に来れて本当に良かったです。


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by masuturi | 2006-06-06 02:05 | 釣行記2006 | Comments(15)

岩魚日和。

5月28日
山梨の川 8:30~18:00 晴/雨
釣果 ヤマメ7 イワナ8

自分だけの秘密基地をみつけたときはわくわくする。
それは少年と呼ばれたころを遠く過ぎた今でも
きっと変わっていない。

自分が小学生の時。
ある日を境に、子どもたちの世界にファミコンがやってきた。
それはまさに『侵略』だった。
昨日までの遊びは一夜にして変わった。
秘密基地をつくる子どもはいなくなった。
きっと自分はあの楽しさを知っている、最後の世代になるだろう。
それだからか大人と呼ばれる身分になった今でも
山の中をうろうろ。うろうろ。
ここではない、『何処か』への入り口を捜し求めている。


昨夜から降り始めた雨は、朝になってもやむ気配はない。
だけどもこの間行った川の続きが気になって仕方ない。
もしかしたら『何処か』へと続いているのかもしれない。

そう考えたら居ても立ってもいられなくなった。
かなりの増水だが、上流に向かって歩き出す。
こんな日はイワナがよく釣れる。
それも体力のある大物から先に動き出す。
今日は岩魚日和だ。

一歩一歩、踏みしめるように。確かめるように。
慎重に川を遡っていく。
幸いにして濁りは入っていない。
ルアーを追ってくる魚が良く見える。


尺物も交えてイワナを釣り上げていく。
ヤマメも釣れる。
まだかなり強い流れの中に、いち早く復帰したのは
むしろヤマメのほうだったのかも。

そろそろ納竿しなきゃ…と帰り路が気になりだした頃
ギラッ!ギラッ!と執拗にルアーを追ってくる影。
すぐに衝撃!
最初は上流に向かって。
ダメだと悟ると、すぐに重い流れに乗って下流へと逃げていこうとする。
柔らかいウエダのロッドは絞り込まれて、持ち上がらない。
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尺ヤマメ。
山奥のヤマメは初夏を迎えた今でも、身体に錆をまとっている。

これで気持ちよく、帰る気にさせてくれた。
だけども今日は、山女日和だったんだなぁ。


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by masuturi | 2006-06-01 04:04 | 釣行記2006 | Comments(12)

雲の中でのイワナ釣り。

5月14日
神ノ川 11:00~18:00 曇
釣果 イワナ6

雨がやんだら釣りに行こう。
それもイワナを釣りに行こう。
降りそぼる雨を眺めながら、昨日の仕事はそんなことばかり考えていた。

今朝は早くに目が覚める。
窓の外を確認すると雨はもう上がっているようだ。
すぐにでも釣りに行きたいけれど、まだ出かけない。
川の水はまだ落ち着いていないはず…。
まだまだ出かけない。
今頃は餌師が大勢乗り込んでいるだろう…。
まだまだ…。
まだ…ま……。
……。

しまった!二度寝だよ!
あわてて車を走らせる。
ゴールデンウイークも終わった道志みちは、車もほとんど走っていなくて快適。
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雨上がりの山は花の匂いに満ちている。藤の花は今が見ごろ。
車止めゲートからの同行者は孫右衛門滝を見に来たおじいさん。
滝の話を聞きながらの山道。


山を登っていくうちにみるみる雲が近づいてきた。
ところで『西遊記』の作者は、長安だか洛陽だか分からんけど
きっと都会から出たことないんだろう。
一度でも雲を間近で見ると、まさかその上に乗れるんじゃないかなんて発想は出てこない。
そんなことを考えていたら、いつしか雲の中に入り込んでいた。

川の水は少しだけ増えている。
濁りもなく、なんだか良さそうな予感がする。
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すでに人が入った後なのでイワナの警戒心は戻ってしまったようだ。
ぽつぽつと釣れてはくるものの、なかなかサイズは上がらない。

堰堤を越えるために、慎重にガレ場を登っていく。
雨上がりのガレ場はおっかない。一歩一歩、確かめながら。
小石大石いろいろ混じったガレ場は丹沢の象徴か。

堰堤を越えると、川原で準備をしている二人のテンカラ師の姿。
ここから先は行ったことがない区間なので、退渓できる場所があるのか聞いてみた。
『ずーっと上まで出るとこないから、戻った方がいいよ!俺達は暗くなるまで釣るからさ。6時まで!6時まで釣るからいいけど、戻りなよ』
そのギラギラした目に大きくウソって書いてあるんだけど。

『それじゃ先行くから』と言うもんだから、お菓子を食べながら小休止。
二人組の様子を見ていると、最初のポイントからすぐに釣り始めた。
故意ではないと言え、頭ハネをやっちゃってくれてるんだから
もっと上流から釣るものだろ……と、しばらく眺めているうちに疲れも取れたので釣りを再開。
ところがテンカラの遡行の遅いこと遅いこと。
あっという間に追いついてしまった。
『先、行きますね』と大人気ない態度を取って追い抜き返す。
渓流レースだ。


堰堤をふたつ飛ばして川に降りる。
すぐに次の堰堤。
その下の深みにルアーを投げ入れた1投目。
ずんっと突然重くなり、そのままの重さを保ったままジリジリと引き込まれる。
ざばっざばっと水を掻き分ける大きな尾。
これこれ!これだよ!これを釣りに来たんだよ!
c0062039_23391614.jpg

35センチという大きさに似合わない優しげな表情の雌のニッコウイワナ。
グラマラスなボディにオレンジ色の斑点がとても鮮やか!
一目見ただけで、いろいろあったことを全て吹き飛ばす。

帰り道の長い林道もあっという間だった。


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by masuturi | 2006-05-14 23:54 | 釣行記2006 | Comments(16)

再出発。

5月5日
神ノ川 9:00~18:00 晴
釣果 イワナ4 ニジマス1

みなさんコンバンワ。
ツリガ下手夫デス。

いやね、もうダメ。ダメすぎ。
ゴールデンウイークなのできっと川は混み合っているだろうと、釣りに行くつもりはなかったのに
相方から『あたし実家に帰るから、釣り行ってきていいよ』と思いがけないお言葉。
こうなったら鬼のいぬまに……といきたいところだったが、なぜだかあまり気乗りしていなかった。
しかし連休の真ん中でぽっかり一日空いてしまって、ほかにすることもなかったので、とりあえず釣りにでも行くことに。
釣り人のくせに釣りに行く気がしないってのがまずダメ。
そして結局行くところがさらにダメ。
なんでもそうだけど、特に『遊び』は一生懸命にやらないと楽しくない。


帰りの渋滞が怖いので山梨方面は回避。
釣り人の少なそうな神ノ川に行くことにした。
BBQ渋滞にギリギリのところで巻き込まれずに到着。
神ノ川ヒュッテの周りには隙間なく駐車されているが、沢屋の車と信じて準備をする。
ところが身支度を整えてみると、偏光グラスを忘れてきたことに気がついた。
やっぱり今日は一生懸命じゃないなぁ…。

水の中がのぞけないので、魚がなかなか見つからない。
初夏の日差しばかりが眩しい。
タルミにちょいとミノーを投げて、流れになじませるために
少しだけそのままにしておいた。
どこからともなくスッと近づいてくる影。
魚だ!
すぐにトゥイッチをかけ、ミノーを動かす。
しかしアピールを始めた途端、魚はふいっと戻ってしまう。

またキャストして放っとくと、近づいてきた。
動かすとやっぱり戻っていく。
どんだけスレているんだよ!
下手に動かさない方が良いのかなと、スピナーにチェンジ。
今までの苦労はなんだったのか、と言うほどあっさりヒット。
釣り上げられてきたのは小さなニジマス。
あれー?ヤマメだと思ってたのに。
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上流に向かって大きく移動。
堰堤下の深みだけを探って、どんどん遡っていく。
途中でヤマメが二度ヒットしたが、首を振られただけであっさり針を外される。
ダメだなぁ。

幾つかの堰堤を越えたところにあったのは、轟々としぶきをあげる大堰堤。
これを巻くのは一苦労だな……ん?左側から行けそうだぞ?
途中まで行ってダメだったら戻ってこようと
渓流では決してやっちゃいけない、見切り発車で岩肌を登りだす。
おっと、巻き道を信じていたら途中で途切れてる。
川原までは20メートルほど。
重度の高所恐怖症である自分にとっては絶望的な高さだ。
右にトラバースすれば行けそう…なんだけど。なんだけど。
次の一歩が踏み出せない。

一旦下を見てしまったら、木に登りすぎたネコちゃんみたいに動けなくなることは分かっているので、なるべく意識の外に追い出すようにする。
だけど下の様子はやっぱり気になるなぁ。
チラ。
おおお高いー。
こんなとこで死にたくねー。
c0062039_12472798.jpg

やっとの思いで越えてみると、堰堤の上は相変わらずの丹沢的風景。
砂と礫で川は埋まりつつある。
さすがに川沿いの足跡も少なくなり、魚影も増えてきた。

流れがゆるく、ほかより少しだけ深くなっている場所はイワナの付き場だ。
ミノーを引いてくると、何度も何度も執拗にまとわりついてくる。
がぶりと噛み付いた。すぐにはずれる。
足元での出来事なので一部始終がよく見える。
フッキングが甘かったかな?と首をかしげながら、ひとつ上のポイントへ。
せっかくのイワナだけど、またもすぐにはずれる。
今度は強くアワセすぎて身切れ。自分でもはずれた理由がよく分かる。
手ぶらで戻ってきたミノーを確認してみると
針先が曲がっていてほとんど役に立っていない。
そう言えば今年は恒例の解禁準備をしていないので、ルアーの針は昨シーズンからそのままだった。
躊躇なく食いついてくるこのサイズだと釣れるんだけどなー。
c0062039_18264093.jpg

とりあえずはうちに帰ったらルアーの針を取り替えよう。
それから再出発だ。


ヒットルアー  D-コンタクト ニアキス
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by masuturi | 2006-05-07 18:47 | 釣行記2006 | Comments(12)

ゴルジュを越えて。

4月22日
葛野川 10:00~16:00 晴/曇
釣果 ヤマメ14

釣り用語というのは面白い。
通ラズなんてのは、ラズの部分だけカタカナで
そこを見つめていると、大和朝廷とはまた違った
山の文化を勝手に連想してしまう(そういう意味ではカタカナ名前の沢は大好きだ)。

ゴルジュも面白い。
両岸が切り立った高い崖になっている場所を
ちょうど廊下に見立てて、ゴルジュ(フランス語で廊下の意)と呼ぶんだけど
なんでいきなりフランス語?
それまで、ちょっと野暮ったい言葉で話していたのに
ここだけいきなりオサレ風味。なんだかちょっぴり微笑ましい。


葛野川の上流部は、そのゴルジュがひたすら続く。
川の規模そのものは大きくないのだけど
川原なんて気の利いたものはないので、遡行がタイヘン。
よいしょ、と気合を入れなきゃ釣りに行けない。
c0062039_25598.jpg

ゴルジュって木が覆いかぶさっていることも少なく
渓流では数少ないルアーを遠投できる場所だ。
シンキングのミノーをぶーんとすっ飛ばす。
しばらくすると強い流れに押されて、手元には転げながら戻ってくる。
c0062039_215790.jpg

今度もミノーは転がってきたが、大きな影も一緒について来た。
イワナのポイントから、まるでイワナのような出かた。
岩盤の影から、ギラっと鈍く褐色の光が浮かび上がる。
うわ!尺イワナだ!
興奮しながらも、竿をためてじっと待っていると
やがて疲れきって流されてきた。

ん?
んん?
体一面に散りばめられているパーマーク。
イワナだとばっかり思っていたソレはヤマメだった。
メジャーを当ててみると37センチ。
ああ、なんかもうよく覚えていないや。
c0062039_2224837.jpg

長く伸びた体に比べて、やけに大きな頭。まるでうわばみのよう。
一日のほとんど陽も満足に当たらないこの谷底に
いつからいたのだろう。
本流育ちとはまったく違うその体つきからは
環境の厳しさばかりがうかがえる。
c0062039_355069.jpg

フワフワと夢の中のよう。地に足が着いていない感じ。
再びヤマメを見る。
もっと眺めていたい。
今までにこの川でどんなことがあったのか聞いてみたい。
だけどもお別れの時間だ。
そっと針をはずすと流れの中に消えていった。

もう今日は、これ以上の魚は釣れないだろう。
このまま帰ろうか。
珍しくそんな殊勝なこと考えていたけど
はっと気づいてみると、深い谷底なので退渓できる場所がない。
c0062039_255378.jpg

結局そのまま4時間ほど釣りしながら、ようやく出てこられた。
その間もずいぶんと釣れたけど、頭のどこかがぼうっとしたままだったから
うれしさもどこか飛んでいる。

あの魚についても考えることができたのは
ようやく帰りの車の中だった。今までで一番大きなヤマメだ。

初めて騙されたであろうショックからは、そろそろ立ち直ったかな。


ヒットルアー  D-ダイレクト D-コンタクト ジェイドMD
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by masuturi | 2006-04-23 03:10 | 釣行記2006 | Comments(28)