鱒釣日記


ルアーで鱒を釣ってしまう日々。
by masuturi
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それから十年。

9月30日
大洞川 5:30~16:00 曇
釣果 イワナ3 ヤマメ3

秩父イワナが釣りたい。
当初の予定では、前日から山中に入り
小屋で一泊するつもりだった。
だけども寝坊したり、渋滞に巻き込まれたり
リールを忘れてしまったり、また渋滞に巻き込まれたり。
やっと秩父にたどり着き、蕎麦で一息ついたときにはすでに4時をまわっていた。

今日はもう釣りは諦めて、どっか行ってみようか。
秩父事件のクライマックス、椋神社なんてどうだろう。
ここで軍律五箇条を読み上げた瞬間。
現在までも含めて、日本で最も自由が間近に感じられた瞬間だったろうなぁ。
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実は以前にも椋神社に来たことがある。
大学の実習で秩父に来たのだが、途中で抜け出して
かねてから念願の『聖地』を訪ねたのだ。
あれから十年の歳月が過ぎた。

境内をそぞろ歩きながら、ふと考える。
この十年で自分は何が変わったのだろう。
あの時と何も変えることが出来ず、ただ時間だけが過ぎ去ったのではないだろうか。
なぜか焦る。
取り残されたような気持ちに陥る。

そんな自分を無視するかのような中学生のカップルがやってきた。
自転車を停めヘルメットをはずすと、神社にある水飲み場へ。
二人で水を飲み、腰を並んで下ろすと
なにやら楽しそうに話している。

21世紀になって5年が過ぎようとしていると言うのに
時間が止まったかのような、あまりにまぶしい光景。
二人を驚かすのもためらわれたので、そっとその場を離れる。

だけども、なんだかやる気がでてきた。
明日のために、今夜は道の駅の駐車場で早めに床につく。


待ちきれずに、3時半に起床。
車止めまでひたすら林道を走る。
ライトには次々に動物たちが映し出される。
大きな角を持った鹿、猪の親子、あの小さな白いのは穴熊か。
夜の林道は彼らの領域だ。

まだ暗い車止めで夜明けを待つ。
山際はようよう白くなりゆくが、川の様子は分からない。
そうこうしているうちに続々と車がやってくる。
ええい!もう待ちきれん!と釣りを開始。
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谷は深いけど、歩きやすい川。
水量も豊富で、普段自分が釣りしている川の倍ほどの規模。

魚はミノーと距離をおいて、ゆっくりと少しだけ追ってくる。
とても釣れそうに思えない。
川原に濡れた足跡が目立はじめたので
いったん林道に上がり、上流へと移動する。
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20分ほど歩いたところから
再び川に下りていく。
再会した川はずいぶんと小さくなっていた。
…と、思ったら川に流れ込む沢だった。
だけどこれくらいの規模の方がイワナ釣りらしくていいなぁ。
小さな落ち込みにポンとmogミノーを投げ込む。
スッと黒い影が近づく。

ドキドキしながらルアーを回収。
今の魚は確かに黒かった。
しかもこの日初めて見たやる気のある魚。
ようやく秩父イワナに会えそうだ。

規模の割に落ち込みは深く、流れは速い。
もう一度mogミノーを投げ入れるが
あっという間にバルサミノーは流されてしまう。
もっと重いシンキングミノーにも反応は一度だけ。
50センチ四方の小さなポイントにかれこれ20回以上もキャストを繰り返した後
最後の足掻きでスピナーを結んでみた。
キリがないので3回だけで終わりにしよう。
一投目……二投目…突然、ガツンと衝撃。
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全体的に濃い体色。
おなかや斑点は想像していたようなオレンジ色ではなく
もっと茶色っぽい色合い。
言ってみるならば朱色。
まさに紅いイワナだ。

ホントはじっくり眺めていたいけれども
狭い沢なので魚を入れておくプールが作れない。
あわてて撮影をしようと思ったら、飛び跳ねて流れに戻ってしまった。
手元に残ったのはピンボケの写真が一枚きり。

すぐにもう一匹。
今度はもっと鮮やかな紅さだったけれども
こいつもすぐに川の中へ。

結局、この日魚が釣れたのはスピナーだけだった。
秋の釣り、しかもイワナの釣りはミノーが一番だと思っていたので少々…どころか、とても驚いた。
スピナーは水生昆虫をイミテートしたルアーだと言われている。
しかしスピナーを虫だと思っているのは、人間だけなのじゃないだろうか。
魚はただ回転するブレイドに警戒し、威嚇しているだけなのかもしれない。
そうだとしたら、秋こそスピナーの威力が最も発揮できる季節になる。
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いくつも続く堰堤を前に、そろそろ終わりにすることをを考える。
最後にもう一匹イワナ。またもスピナーで。
今度のイワナはだいぶ色が薄いな。


さぁ、よく遊んだ。帰ろう。
と思っても、林道は遥か頭上だ。
何十メートルもガレを登らなければ辿り着けない。
鹿の足跡が続いていたので、ここなら登れるんじゃないかと決心する。
他の場所は垂直に切り立った壁そのものだし。
ひたすら登り……
汗だくになってやっと林道……そう思ったら
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道がなかった。

今から十年後、今日と同じように釣りをしていられるだろうか。
体力はずっと落ちているだろう。
そう考えると、いつか行きたいと思っている源流釣行だって
そろそろ行けるようになっておかないと、時間はあまり残されていないぞ。

きっと十年なんてあっという間だ。
『いつか』も急がなければ。


ヒットルアー  ニアキス
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by masuturi | 2006-10-02 00:55 | 釣行記2006 | Comments(18)
Commented by TABO at 2006-10-02 12:57 x
綺麗なイワナ、良かったですね。ここもかなり渓が深そうですね!源流釣行、憧れますよね~。私はもう無理ですかね~
Commented by ミッキー at 2006-10-02 19:47 x
こんばんは。

msuturiさんは道無き未知を行く漢ですね。(笑)
読んでいていつもその先が気になります。

>ええい!もう待ちきれん!
ここがとても共感してしまいます。
ソワソワ、ソワソワが心の中ではザワザワ位に膨らんでしまいます。
今年は強行で実家に帰ったのですが、天候に恵まれず釣りには行けませんでした。
私も『いつか』を急がなければ…
Commented by kei at 2006-10-02 20:52 x
masuturiさん、こんばんは。僕もその日は本流で尺ヤマメをキャッチした後に大洞行きましたよ(笑)。林道の終点には10台以上の車がありましたが、最終日なのでどこも同じだろうと気にせず入渓。遅く入ったのが幸いしてか、良い型のヤマメや秩父イワナが遊んでくれました。僕は川歩きが下手なので、一つ目の堰堤を越えたところでギブアップしました(笑)
その後、大血、本流と釣り歩きましたけど・・・。撃沈しました。
Commented by taki at 2006-10-02 21:48 x
masuturiさんが取り残されたと思うのは前を見ても誰もいないから、先頭を走っているからじゃないかなー。
ドップリ君ではなく問題意識を持つのはいい感じ。

写真の淵、ミノーにガツンと来そうな場所だよね。
トゥイッチングミノーだと難しいってことだったのかなー。
4センチくらいで軽くて泳ぎだしが良くて少し派手目な動きのミノーのタダ巻きだとスピナーに近くていけるかも・・・・あぁ、僕の問題意識が呼んでいるぅ~
Commented by mog at 2006-10-02 22:52 x
10年後も、今の気持ちがあれば、きっと同じように釣りをしていられますよ。
年を重ねて、羨ましいと思う若さとは、気持ちだったり、気力とかなんじゃないかな。



Commented by masuturi at 2006-10-03 00:11
TABOさん、ありがとうございます。
おなかもヒレの先も鮮やかで、とてもキレイでした。

来シーズンは源流行きましょう!
まだまだやれる…はずです。
Commented by masuturi at 2006-10-03 00:19
ミッキーさん、こんばんわ。
お褒めの言葉ありがとです。
……でも、まぁ林道を歩いて帰ってきたので、軟弱釣り人なんです。

8月ころは『え~釣り~?暑いよ~』なんて、ぶーたれてたのに
9月になったとたんに、なにかに追い立てられるかのように釣りに行く。
もう落ち着かなくザワザワしまくりでした。

せっかくの帰郷は残念でしたね……また来年に期待ですね。
Commented by masuturi at 2006-10-03 00:25
けいさん、こんばんわ。
なんて偶然!その10台以上の車のひとつが、自分の車でした(笑)。
そう言えば釣り人には出会わなかったけど、みんなもっと上流に行ってるのかな。初めての川だったので下から釣りあがって行ったけど、そっちの方が楽しそうです。よろしければ来シーズンお付き合いください。
Commented by masuturi at 2006-10-03 00:32
takiさん、流石にそれは買いかぶりすぎですよ(笑)。
自分のことも少しは客観的に見られるようになってきました。
オトナになったのでしょうか。

秩父の魚はスレているようで、川の雰囲気に反してトゥイッチには反応悪かったです。
ミノーのただ巻きも試してみたのですが、自分のワレットの中には平べったいミノーばかり……。もうちょっと丸い断面のミノーがあったら、takiさんの言われるように面白いことが起きたかもしれませんね。
幸い丹沢ではまだ釣りができるので、スピナー共々試してみたいと思います。
Commented by masuturi at 2006-10-03 00:38
mogさん、今回もmogミノーは活躍してくれました。
あそこでイワナが追って来てくれなかったら、もう帰っちゃってたかも……ぐらいに渋かったです。

10年後、今と同じように釣りができるように……自分も川もそのままで。
Commented by シロ at 2006-10-03 23:10 x
masuturiさん、こんばんは。

とうとうシーズンオフですね。。
あの淵は、あの大岩の先は、あのトヲラズは、来シーズンはどんな姿で待っていてくれるのでしょう。
あの大狐やあの古狸は無事に越冬してくれるでしょうか。。
少し心配です。。


いえ、でも!
なんせ僕らの誘いをさらりとかわしたあの子達の事!
きっと元気な姿でまた来シーズンもさらりと(笑)

がんばれよぉ!


楽しみです♪
Commented by 裏川探検隊 at 2006-10-04 23:04 x
こんばんは。
私が渓流トラウトを相手にルアーを始めのはたかだか三年前ぐらい。入れ込んで今年からは世附に通うようになりましたが、先達であるmasuturiさんやその他の方々の記事を読むと、やはり行き着く先は源流なんだな、と思い知らされます。ちょっとずつではありますが、装備なども万全にして、到達点である源流に挑みたいと思います。その時はまたアドバイスお願いします。
Commented by マスツリ at 2006-10-05 10:42 x
シロさん……すごいこと言っていいですか。
自分の地元である丹沢では10月半ばまで釣りができるんです!
ビバ!県条例!
ビバ!!(利潤追求)漁協!!
と言うわけで、あと少しだけ悪あがきができちゃうのです。

>きっと元気な姿でまた来シーズンもさらりと
いや、それ釣れてないから!(笑)
でもそれくらいの古強者に育ってもらいたいものですね。
Commented by マスツリ at 2006-10-05 10:49 x
裏川さん、おはようございます。
ヤマメ好きは本流へ。
イワナ好きは源流へ。
きっと麻疹と同じで(気持ちが)若いころには、誰もがかかる病気なんだと思います。
イワナ好きな裏川さんが源流に行きたくなってしまうのも、きっとそれですよ。
丹沢は源流トレーニングには最適な川がたくさんあって、いいですね。
来シーズンは自分もプチ源流へ行ってきます。
Commented by JIMO at 2006-10-05 22:29 x
ものすごいジンクリアな渓。それだけで二日酔いが飛びそうですね!!(笑)
いや・・・このコメを書いている今の私が酔っ払いなわけで。(苦笑)
深い谷への憧憬はあるものの体力が持たない・・・体力のせいにしているのです。
やっぱヤマメ好きだからかなぁ・・・。(笑)
Commented by マスツリ at 2006-10-06 19:29 x
JIMOさんが好きなのはニゴ……。
秩父の川は『埼玉』という言葉のイメージからは
遠くかけ離れた、山深いものでした。水も冷たくキレイ。
そんな釣りのお昼は当然インスタントラーメンです。
冷えた体も温まるし、きっと二日酔いだって吹き飛びますよ!(実は今まで二日酔いになったことがないのですが)
Commented by ユウジ at 2006-10-09 22:31 x
こんばんは
ホントいろいろな沢を知ってるんですね。いつも楽しみに読ませて頂いておりますが今回は秩父ですか。つーか画像(上の方)のポイントいいですね〜。ほんとミノー投げ込投げたいです(笑)でもしばらく釣行記が無くなってしまいますね。(あ、勝手に締めちゃいましたがもう一回くらい行かれてるかな?)

また来シーズンも良い釣りができるといいですね。ではっ!
Commented by masuturi at 2006-10-10 21:33
ユウジさん、こんばんわ。
今回は初めての沢でした。行動範囲は狭いですよ。
だけども毎年シーズンの最後には、今まで行ったことのない川に行くようにしています。そこで感じた楽しさやスリルが来年に繋がるんじゃないのかなぁと。
takiさんも言われてましたが、透き通ったいい淵でしょう。
ミノーは素通りされちゃったけど。
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