鱒釣日記


ルアーで鱒を釣ってしまう日々。
by masuturi
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

その先にあるもの。

4月2日
谷太郎川 6:00~16:00 曇/雨
釣果 ヤマメ8 イワナ4

俺と相対しているその男の首は太く
道着からのぞく腕も十分な力を感じさせた。
体重は90キロほど。俺よりも優に二周りは大きい。

男が巨体に似合わぬ身軽さで先に動いた。
しまった。
先手。取られた。
腰を落とす。
胸を張る。
これで戻った。
再び探り合う。

加納治五郎が提唱して以来、戦場の殺人術だった柔術は
柔道と言うスポーツとなって普及した。
しかし今、お互いのプライドを賭けている二人の闘いは
古の時代と同じ匂いを放ちはじめた。
相手を倒すこと。
そこだけに向かっていく。

(注:これは釣行記です。長い前フリですが、もうしばらくお付き合いのほどを)

じれた男は飛び十字を仕掛けてきた。
ある程度予測していた俺は、ぐっと体を硬直させて堪える。
腕を伸ばされないようにしながら、男の体を下に落とす。
『そんな技が極まるとでも思ったのか?』
そう言わんばかりの視線で男を見下ろす。
抵抗のできない男は下に落ちていくばかりだ。


最悪!
よりによって踏ん張ったときにちょっと開いた
ヒザの上に、あのやろー落ちてきやがった。
バキバキッとヒザの靭帯が
乾いた小枝を踏んだような音を立てる。
いてててて!
いやマジで痛いって!


と言うわけで、ヒザを壊してしまった。
歩けないことはないんだけども、本格的な遡行となるとちょっとキツそう。

ダム下の中津川で午前中を無為にすごし(いわゆるボウズ)
さて、どうするか?といったところ。
遡行しなくていいのは助かるんだけど
変化の少ない本流での釣りはちょっと飽きたので、山の中の渓流にでも行きたい気分。
近くに谷太郎川が流れていたことを思い出し、向かった。

谷太郎川は小さな渓流だ。
川幅はせいぜい2~3メートル。
わざわざ訪れる価値は少ないのかもしれない。
しかし今日は『わざわざ』この川を選んだ。
なぜって谷太郎川は比較的穏やかな渓相で
しかも川沿いに登山道が走っているという、実にヒザに優しい設計なのだ。


林道に駐車して川の様子を伺っていると
上流から餌師が一人下りてきた。
挨拶をかわすと『これから放流があるだとかで、車止めのところにいっぱい人が待っているよ』と教えてくれた。
うわ、嫌な日に来ちゃったなぁ。
その人は『そんな風に魚釣っても楽しくねぇから』と言って、さらに下りていっってしまった。
なんだかカッコよかったので真似したかったんだけど
ウブな放流魚相手に『ぬぉーーースゴイチェイスだ!!』とかちょっぴりバカっぽいこと言ってみたくもあったので、行ってみよう。

幸い車止めには一台分の駐車スペースが残っていた。
川をのぞいて見ると、ゆるい流れに定位している魚。
その前にクーラーボックスを持ち込んで張り付いている釣り人。
鱒釣り場みたいだな。
すき間を見つけてミノーを投げてみると、スゴイチェイス。
ボロボロのヤマメばかり立て続けに3匹も釣ると
ルアーを投げているその場所に餌師が入り込んできた。
もうそのクーラーの中に何十匹も入ってるんだから十分でしょ、と思うが
こんなことで言い合うのはあまりに悲しいので、上流に向かって歩き出す。

いつにもまして水量の少ない谷太郎川では
狙えるポイントもそれに比して少なくなる。
ほとんどのところは足首までの深さしかないのだ。
どうやら上流に入っているのは自分一人だけのようだ。
雨で魚の警戒心も薄くなり、反応は上々。
c0062039_3124925.jpg

堰堤をいくつか越えると、だんだん渓相も良くなってくる。
釣れる魚もだんだんキレイになってくる。
下流でいつまでも放流魚に囚われていたら、その先にある光景や魚は見れなかったのか。
そう思うと、あの餌師に感謝すらしたくなる。
c0062039_32738.jpg

だけども、この川の規模ではその先、生き残るのは難しいんだろうなぁ。


キャンプ場まで来たところでヒザの痛みが限界に。
雨足も強くなってきたので帰ることにする。
唐沢との分水嶺まで行きたかったのになぁ。

車止めのあたりには、もう釣り人はいなかった。
同じく魚の姿も見えなくなっていたが、ミノーを投げてみるとイワナが追ってきた。
2匹だけ釣って持ち帰る。
今夜はイワナご飯だ。
c0062039_321424.jpg


ヒットルアー  ツインクル45S ツインクル45SD アレキサンドラ50S
[PR]

by masuturi | 2006-04-03 14:22 | 釣行記2006
<< 無くし物をした日。 あのころの気持ち。 >>