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鱒釣日記


ルアーで鱒を釣ってしまう日々。
by masuturi
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イイ日ワルイ日。

3月26日 
13:00~16:00 晴
釣果 ボウズ!

震災以降、どうも心は宙ぶらりん。
自分が当然のように思っていた『当たり前』のものなんて、実はそうではなかった。
その衝撃がいつまでも心の中で嵐のように渦巻いている。
昔々ハイデガーが唱えた、自分の死に直面するということが
これほど生々しく感じられる日が訪れるとは思いもしなかった。

明日が来る。
その日常が繰り返されるのは、あまりに当たり前すぎて退屈ささえ覚える。
しかし、見慣れたはずの日常も、明日自分が死ぬと分かっていて過ごせば
その一瞬一瞬の奇跡的な尊さに、初めて気が付くことが出来る。
人生は刻一刻と過ぎていき、二度と戻らない。
掛け替えがないからこそ価値がある。
イイ日ワルイ日。_c0062039_1711551.jpg




だけどやっぱり自分は平々凡々な人間なので、その貴重な明日を無駄遣いしてしまったりするのだ。
釣りに行くつもりだったのに、痛恨の寝坊。
子どもにミルクを飲ませて、部屋の掃除。
ああ貴重な時間が過ぎていく…。

だけど、
だけどハイデガー先生、釣りがしたいです……。
イイ日ワルイ日。_c0062039_1712949.jpg

と言うわけで、半日コースのお手軽な沢に2年ぶりに行くことにした。
お昼ご飯用に途中で買った酒饅頭を、おばちゃんに1個おまけしてもらったり。
昼過ぎにのんびり入渓点についても車が一台も停まってなかったり。
今日はなんだかいい日になりそう。

釣りの前にちょっと沢に手を入れてみると、水は切り裂くような冷たさ。
いい日に…なりそう?

だけど1匹くらいは(本音では3~4匹は)釣れるんじゃなかろうかと、このときはそれほど心配もせずに、魚を探す。
どんどん沢を登って行って、魚を探す。

自分だけの『存在』を探し求めて、あちこちを行ったり来たり。
自分探しに夢中なOLも真っ青の探しっぷり。
だけど結局魚は最後まで見つからず。
でも、まぁ水温だとか放流がないとか言い訳を考えながら
一番大切な自分の腕前に目を背ける休日があるってのは、これは実にシアワセなことなんだと思う。
イイ日ワルイ日。_c0062039_1714429.jpg


by masuturi | 2011-04-03 17:40 | 釣行記2011
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